気功・動態瞑想とは p.3

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◆ 動態瞑想の基本

動態瞑想の基本は、まずなにより「立つ」と言うところからです。

ただ単に「立つ」「立っている」と言うことに意念を集中させていくだけですが、これが全ての基礎となります。

現代人である我々は、ともすれば自分が依って立っている大地、地球との縁を忘れ、自分自身が自分自身だけの力で勝手に立っていると、無意識に思い込みがちです。

この状態を、龍源師は「アガっている」と表現しています。

意識が大地から浮いてしまっている、自分の「アタマ」に意識のコアが集中している状態。この状態では、人は皮膚の内側という「自分だけ」の力しか使うことはできません。

動態瞑想では、この「アガった」状況を解除し、母なる大地に「落ち着いた」自己を目指します。

無自覚の無駄な緊張に満ちている自分に気づき、それらを解除していくことで、自然と筋肉、骨格、そして意識のコアも下へ下へ、大地に向かって沈降していきます。

このように「落ち着いて」くると、自分は勝手に自分の力で立っているのではなく、地球の上に「のっかっている」「大地に押し上げられてバランスを取っている」と言う感覚が得られるようになってきます。

このような感覚が得られるようになると、自分自身が空虚になって、かわりに自分の内側が地球の力で満たされていくように感じます。

「落ち着いて立つ」ことが出来るようになると、次は「歩く」ことを感じていきます。

これも「落ち着いた」状況を維持したまま、全身に対する気づきを維持したまま、極限まで脱力しながらゆっくりと歩を進めます。

自分が脚を持ち上げて歩いているのではない。一歩一歩、地球に押し上げてもらっている、その上向きの力を感じながら、大地に向かって「おちていくように」重心が進んでいく。

そうすると、自然に東洋的な身体の使い方、武術や能にみられるいわゆる「ナンバ歩き」の状態になっていきます。

◆ 寧神調息導引術

「立つ」「歩く」というウォーミングアップをおえたら、いよいよ「導引養生」の気功

「寧神調息導引術」

の修練に入っていきます。

これは北京体育大学導引養生センターの研究成果として創出されたもので、導引養生の基礎的な事が良くまとまった、優れた套路(=中国武術のカタ)です。

ここで伝授しているものは、龍源師が学んで帰ってきたものに、初心者でもより学びやすいように、少しアレンジを加えた形になっています。

その内容は

・起勢

・調理後天(丹田穴の活性)

・補益先天(命門穴の活性)

・開合拉気(労宮穴の活性)

・採天陽気(天の陽気の吸収)

・採地陰気(地の陰気の吸収)

・気貫百会(身体中心軸に気を通す)

・気帰丹田(丹田に気を集中させる)

・無極椿(丹田の気を運用して身体をエネルギーで満たす)

・収勢

となっています。

◆ 生命エネルギー「気」

中医の考え方では「気」こそが「生命」を運用している根本エネルギーであるとします。

生命体にある「気」には「先天の気」と「後天の気」の二種類があって、先天の気は親から授かった根源の根源とも言えるエネルギー、後天の気は別名「水穀の気」とも言われ、生命活動を行う中で、自身みづから補充するエネルギーであると考えます。

先天の気が尽き果てる時が生命体としての「死」の時、そして残念なことに、この先天の気は補充することが不可能な「使い切り」のエネルギーであるとされます。

これに対して、後天の気は呼吸や飲み食い、瞑想などで補充可能なエネルギーなので、生命活動のできるだけを、先天の気を使わず、後天の気を使って行っていこうというものです。

後天の気が減少する、上手く使えないとなると、先天の気を消耗せざるを得なくなりますので、寿命が縮んでいきます。

ですので、後天の気をいつでも十分に充満させていられるように、いつでも上手く行き渡らせていられるようにするのが「導引養生」の基本概念ですし、そのような「気」のあり方に自覚的であり続けると言うことが「動態瞑想」に通じていきます。

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